ざらざらとした日々、宙吊りぶらぶら。
腰の鈍痛、足のだるさ、寂しさ染みる。
あったかいが、気候に焦らされ、とりあえずは明日カッティング。
透明な気分になってきた。歩いて、道に長久手の春の匂いがする。
藤原がクレマに着いた、らしい。
きっと晴れているといい、旅の間だけでも。
雨で洗われた帰り道、古い家のにおい。
恋人が遠くにいる、というのも悪くないというのか。
1/19 金 曇り
むかし作ったホームページを発掘した。休学していた時期に、なんとか生きようとして書いた日記。2年間だけ書いて、あとは放ったらかし。そんな日記には当時の私の苦痛と閉塞感が染み付いていた。
1/19 火 晴れ
傾倒できることにそもそも価値があるんだ。僕は今のアイドルとかアニメとかテレビに興味すら湧かない。今風のイラストをかけるのもすごいが、アニメとゲームに傾倒してしまう浅はかさが本当に貴重なのだ。僕は、絶対に踏み入れないだろう。ゲームやアニメの世界には。 初めて曲をつくってみた。録音もしてみた。自信がないからドラムとかいれてみたらうるさくなった。次からはギターのみを磨く方向で。5曲。まずまずいったなぁ
何年か前の今日の日記。私は苦悩しているようだ。サブカルにハマることの軽薄さと尊さについて書いている。アニメとゲームの世界には入らないと書いている。今の私は、ゲームのアニメを作っている。この何年かで空と地面がひっくり返ったように、私は変わったのだろう。
本当に私が書いたのか、疑問に思った。そう、まるで違う人間になっているのだ。まるで違う考え方、生き方、過ごし方。しかし、彼に感化され、今文章を中央線快速に突っ立って、スマホを睨んでいる自分は、やはりあの時の自分の未来の姿なのだ。
もう、無理、というわけではないが、今の仕事がつらいのだ。ずっとやりたかった、アニメの演出。ようやくありつけた仕事。それなのに、毎日疲れ果てて、スタジオに着く頃には砂漠を歩いてきたラクダのように、だらっと背を曲げて、やる気のない表情を浮かべる。
そんな日々にも、快調の予兆が見られた。明日引っ越す。大好きな人の隣。これで変われるのか、期待はしていない、たぶん。多少生きやすくなるだろう。だから、今私は日記を書いている。昔の死にそうな自分に感化され、今も死にそうな表情で、日記を書いている。明日天気になれ。
